宮内庁が、天皇陛下・皇后陛下が退位後になられる上皇・上皇后の英語表記を、“His Majesty the Emperor Emeritus”と“Her Majesty the Empress Emerita”にすると発表しました。

あまり聞き慣れないこの“Emeritus”は名誉職に付けられる肩書きだそうで、大学の名誉教授などに使われます(名誉教授は“professor emeritus”または“emeritus professor”)。退位したローマ教皇の場合は“emeritus pope”でした。

宮内庁は海外王族の称号を参考にして決めたとのことですが、そういう時ってネットで検索するのか気になります。

私たちも仕事で役職を英語にすることはよくあるのですが、これが意外と難しい。

役職は会社によって違うので、正解の訳は1つに限りません。すでに会社で英語の役職名が決まっている場合はそれを教えていただく必要があります。英語の役職名がない場合は訳すしかないのですが、正しく訳そうと思ったらまずその会社の組織のことを知らないといけません。

たとえば「主任」の場合、会社によってリーダー職である場合と、熟練の社員という場合があります。前者なら“Chief Staff”、後者なら“Senior Staff”等でしょうか。一緒に「主務」とかが出てくると、会社によって役職の順序が違ったりするのでさらに大変です。

ネットで「役職 英語」で検索すると、1つの役職に複数の英訳が書かれているのはこのためですね。

もし会社の役職の英語名を決めようと思われている場合、重要なのは一貫性を持たせることだと思います。

たとえば“Director”と“Manager”は部長、次長、課長あたりによく使われますが、一般的に“Director”の方が“Manager”より組織での役割が上だと思うので、部長を“General Manager”にするなら副部長は“Deputy Director”じゃなくて“Assistant Manager”が良いと思います。あと同じManagerやDirectorでも前に“Senior”、“Executive”、“Chief”が付くと上級になります。

ということで役職の英語名の一例を記載しておきます。上の方が職位順が高い想定です。

繰り返しますが組織によってこの英語名が適切でない場合があるのでご注意ください。

役職英語名
相談役(Senior) Advisor
監査役Auditor
会長Chairperson
副会長Vice Chairperson
代表取締役社長President
副社長Vice President
専務取締役Senior Managing Director
常務取締役Managing Director
取締役Director
執行役員Executive Officer
支店長Branch Manager
事業部長(本部長)General Manager
部長Manager
副部長(次長)Assistant Manager
課長Section Manager
課長代理Assistant Section Manager
係長Section Chief
主任Chief Staff