特許事務ブログ

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2020.01.23

シリーズ【特許事務を仕事にする】 34:J-PlatPat の電子包袋活用について

特許事務のお仕事

先日、久々に J-PlatPat で包袋データを確認したところ、下記のとおり、特許庁に提出した書類と、特許庁から発行された書類(電子包袋)が色分けして表示されていることに気づきました。黄色が出願人から特許庁に提出された書類で、緑色が特許庁から出願人に対して発送された書類になります。

◆J-PlatPat の書類(電子包袋)
・緑色:庁発送書類(特許庁→出願人)
・黄色:庁提出書類(出願人→特許庁)
・白色:出願人と特許庁の電話、ファクス等のやり取りの記録

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私が特許事務の仕事を始めて一番苦労したのは、手元に届いた書類が特許庁に提出したものなのか、特許庁から発送されたものなのか、なかなか判断ができなかったことです。特許事務では、まず受け取った書類が何かを理解し、その中から管理すべき情報をデータベースに入力することが求められますが、書類を的確に判断できるようになるまで半年くらい時間がかかった記憶があります。

また、仕事を始めた1990年代後半は特許庁のデータベースで書類を閲覧することができなかったため、職場で発生する書類を見てその場で学ぶしか学習手段がありませんでした。こうして無料で閲覧できるデータベースが改良されて、自己学習できる環境が整い本当に便利になったなぁと感じます。ぜひ活用してみてください。

出展:特許情報プラットフォーム J-PlatPat
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

2020.01.16

シリーズ【特許事務を仕事にする】 33:ワーク入門編の解説

特許事務のお仕事

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さて、今回は、前回ご紹介したワーク入門編の解説をしたいと思います。

回答:

1.審査請求費用:166,000円

2.審査請求費用:178,000円

問題に出願日を記載していましたが、この出願日がポイントになります。
というのは、2019年4月1日施行の法改正によって審査請求料が引き上げられ、出願日が2019年3月31日以前か4月1日以降かで料金が異なってくるからです。

出願日が2019年3月31日以前の場合、旧料金が適用されます。
旧料金の計算式は、「118,000円+(請求項の数×4,000円)」です。
1つ目(出願日:2017年12月20日)は旧料金になりますので、請求項の数(12)を式に入れて計算すると、118,000円+(12×4,000円)= 166,000円となります。

また、出願日が2019年4月1日以降の場合には、新料金が適用されます。
新料金の計算式は、「138,000円+(請求項の数×4,000円)」です。
2つ目(出願日:2019年4月1日)は新料金になりますので、請求項の数(10)を式に入れて計算すると、138,000円+(10×4,000円)= 178,000円となります。

今回はワークということで、計算式を使って説明しましたが、特許庁の「手続料金計算システム」を使って料金を確認することもできます。計算したい料金を選択していき、審査請求料や特許料の場合には、請求項の数を入力すると、画面の下のほうに料金が表示されます。

出展:特許庁ウェブサイト
出願審査請求料改正のお知らせ(2019年4月1日施行)

2020.01.09

シリーズ【特許事務を仕事にする】 32:ワーク入門編に挑戦~その③

特許事務のお仕事

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2020年が始まりましたね。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2020年初回はワークからスタートしたいと思います。

それでは、早速、特許庁手続き費用に関連した問題を解いてみましょう!

ワーク:

企業では、期初に当該年度にかかる知財費用(もしくは、期末に来年度にかかる知財費用)を見積もり、予算化しています。
日本の特許出願の場合、審査請求時には出願とは別に審査請求費用が発生しますので、当該年度に審査請求期限を迎える案件や審査請求予定の案件を抽出して、審査請求にかかる費用を予算に入れておく必要があります。
審査請求費用は出願料とは違って、請求項の数によって変動します。1出願あたり審査請求にどのくらいの費用がかかるのか計算してみましょう。

1.出願日:2017年12月20日
  請求項数:12

2.出願日:2019年4月1日
  請求項数:10

 

ヒントはこちらです☆
特許庁ウェブサイト
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html

2019.12.25

シリーズ【特許事務を仕事にする】 31:手続きを簡素化できる特許庁の制度 その②

特許事務のお仕事

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2019年も残すところあとわずかとなりましたね。色々な変化の多い年だったように感じますが、皆さんはどんな1年でしたでしょうか。

さて、前々回、設定登録料の包括納付制度をご紹介しましたが、今回は、もう一つの便利な制度、特許料(年金)の自動納付制度についてご紹介したいと思います。

設定登録後、権利を維持するためには、納付期限日までに年金を納付しなければなりません。この年金の納付を自動で行うのが「自動納付制度」です。

事前に自動納付申出書を特許庁に提出しておくことにより、1年ごとに自動的に予納台帳や銀行口座から特許料が引き落とされる仕組みです。包括納付制度と若干似ていますが、こちらは権利ごとに申出をする必要があります。

この制度を利用することによって、毎年の納付の手続きを省略することができます。また、納付を忘れてしまって期限を徒過してしまう恐れがなくなります。

自動納付が適用された案件は、申出人に対し、毎年、納付期限の前に「自動納付事前通知」が送付され、自動引き落としが終わると「年金領収書(自動納付)」が送付されます。
なお、権利維持を希望しない場合等、自動納付を止めたいときには、自動納付取下書を提出することによって自動納付の適用を終了させることができます。

出展:特許庁ウェブサイト
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/nohu/jidounoufuseido.html

2019.12.19

シリーズ【特許事務を仕事にする】 30:特許事務は督促のプロ!?

特許事務のお仕事

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以前に、期限管理は特許事務で重要な仕事の1つとお話させていただきましたが、中間処理の期限管理は事務担当が行うところもあれば、技術担当が行うところもあり、企業によってさまざまです。

ある勤務先で特許事務として中間処理の期限管理をしていたときのことを少しご紹介したいと思います。

特許庁から拒絶理由通知が発行されると、特許事務所のコメントをつけて、まず発明者に検討を依頼します。発明者のAさんに検討を依頼したのですが、回答期限を過ぎても返答がなく、Aさんにリマインドすることにしました。

「Aさん、先日メールした拒絶理由通知の検討の件、ご対応お願いしますね」
「あっ!!・・・それにしても、"拒絶"ってすごく否定されているみたいで、傷つきます・・・」

知財の用語がすっかり染みついてしまった私には新鮮な反応で少しおかしかったのですが、
「今回指摘されている点を補正すれば特許登録になりますので、、」とAさんを励まし、対応をお願いしました。

発明者の検討の後には、知財部での検討、特許事務所での応答書ドラフトの作成、企業側での応答書ドラフトの確認などの工程がありますので、発明者の検討でたくさん時間を使ってしまうわけにはいきません。
期限内に回答をもらえるように事前にリマインドしたり、回答期限を過ぎても返答がない場合には回答を催促したりします。だんだん発明者の特徴も分かってきますので、そうすると対策し易くなります。

余談ですが、ある企業では、中間処理等の回答を催促することを「督促」と呼んでいて、督促状をイメージしてしまうせいか、少し恐い印象をもってしまうのは私だけでしょうか。

お忙しくてなかなか回答をいただけない発明者さんもいるので、もしかしたらその場合は「督促状」のほうが効果があるかもしれませんね。