特許事務ブログ

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2019.12.05

シリーズ【特許事務を仕事にする】 28:一人弁理士支援サービス

特許事務のお仕事

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弊社ではこれまで知財事務スタッフ派遣サービスで特許事務所の知財事務を支援してきましたが、一人で特許事務所を経営されている弁理士の方をもっとサポートしたいと思い「一人弁理士支援サービス」を開始しました。

弁理士が一人で事務所を経営する場合、発明者からヒアリングをして明細書を作成したり、拒絶理由通知に対する対応案を作成するなど技術的な仕事だけでなく、特許庁への手続書面の作成から提出、クライアントへの報告、請求処理まで一通り対応しなければ なりません。

クライアントの数が少ないうちは一人でもこなせますが、クライアントの数が増えたり、クライアントからの依頼数が増えてくると事務処理を即戦力の方に任せて、技術的な仕事に専念したいというニーズが高くなってきます。

以前からサポートしてほしいと相談を受けていた弁理士の方に、どのような事務をサポートしてもらいたいか伺ってみると、クライアントが中小・ベンチャー企業ということもあり、
・日本特許庁への軽減申請手続
・国際出願軽減措置の申請手続
については必須で対応してほしいとのことでした。

軽減適用を希望する場合、所定手続時に申請をしなければなりません。
国内出願の場合は審査請求書と特許料納付書の提出時に申請します。一方、国際出願の場合は願書と同時に受理官庁である日本特許庁に軽減申請書を提出します。

同じ日本特許庁への手続であっても、国内出願と国際出願ではルールが異なるため、制度をきちんと理解した上で手続きを進めていかないと、うっかり申請するのを忘れていた、、、ということになりかねません。事後の申請では軽減措置は適用されませんので注意が必要です。

新設された制度にも対応できるように頭に入れておきましょう。

◆特許料等の減免制度 (出典:特許庁ウェブサイト)
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmensochi.html

◆国際出願に係る軽減制度・交付金制度パンフレット(出典:特許庁ウェブサイト)
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/document/pct_keigen_shinsei/pct_keigen_201906.pdf

一人弁理士の知財事務を遂行するには知財事務の実力が問われることになりますので、知財事務として実力をつけたいと考える方にとっては、よりやりがいを感じられる仕事になるのではないかと思います。「一人弁理士支援サービス」を広めることで、一人弁理士の方を支援するだけでなく、知財事務のキャリアパスを増やすことにつながればと思っています。

2019.11.21

シリーズ【特許事務を仕事にする】 27:管理項目は少ないほどよい

特許事務のお仕事

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最近すっかり寒くなりましたね。
風邪も流行っているようですので、体調にはお気を付けください。

さて、企業で特許事務の仕事を開始すると、特許庁に関わる手続だけでなく、企業独自の業務が発生します。

特許事務スタッフとして管理する対象は、期限、データ、書類の3つになりますが、勤務先の企業が属する業界や会社の知財方針によって、管理する項目や管理方法が異なります。

業界標準の特許管理というものがなく、各社独自に管理しているため、「なぜこのようなデータを入力しているのか」と悩むことがあるかもしれません。

基本は、「管理項目は少なければ少ないほどよい」と考えてください。管理項目が多くなればなるほど、作業は複雑化し、結果的にミスが発生するリスクが高くなります。

ただ、企業における特許管理は、長い歴史とこれまで管理に携わってきた方々の工夫の上に成り立っていることもあります。表面的にムダに思われることであっても、何らかの意図があって行っている場合があります。

そのため、特許事務の仕事に慣れるまでは、書類とデータ入力を正確にかつ迅速に行うことに専念し、ある程度業務に慣れてきたら、企業の知財部として何を管理していく必要があるのか、また、それは何のためなのかを意識して、効率的な管理業務をしていくよう心掛けましょう。

その結果、ムダと思えることがあれば提案をしましょう。これは私がアドバイスをいただいたことになりますが、提案する際、女優さんになったつもりで自信を持って言うというのが大事とのことです。

2019.11.14

シリーズ【特許事務を仕事にする】 26:世界はせまい!

特許事務のお仕事

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先日JIPAの商標の研修に参加したときのこと。
前の席に座られた方がなんとなく知り合いに似ているなと思っていたのですが、マスクをされていたので確信がもてず、シャイな性格もあって、話しかけることができませんでした。

その1週間後、特許・情報フェアで会場を見て回っていたとき、アビリティの同期だったAさんにばったり会いました。

「Aさん、もしかして、この前JIPAの商標の研修に参加されてました?」
「はい、参加していました」
「やっぱりAさんだったんですね!」

Aさんは、現在、ある企業の知財部で働いているとのこと。企業名を聞いてさらに驚いたのは、以前勤務先で、その企業の知財部と発明の件でやり取りをしたことがあったからです。

こんな偶然があるんですね。Aさんも最近商標に関わることになり、勉強されているということでした。私も現在、商標の勉強中なのですが、同期が頑張っているのを聞くと、いい刺激になります。

少し話は変わりますが、アビリティでは、毎月、知財管理のコミュニティ活動を行っていて、企業の知財部や特許事務所の方々が集まって、課題やノウハウの共有をしています。

知財事務をよりよくしたい!という熱い想いを持った皆さんなので、とてもいい刺激がもらえます。コミュニティ活動に興味がありましたら、お問い合わせください。

2019.10.24

シリーズ【特許事務を仕事にする】 25:ミスができない仕組みを作る

特許事務のお仕事

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さて、今回は、知財事務の仕事の話に戻りたいと思います。

知財事務の仕事の基本は、発生した日付や案件の番号などを知財管理システム(データベース)に正しく入力することです。

これがきちんとできなければ至るところで確認作業が発生し、結果的に「こんなにミスのあるデータは信用できない」という状況になってしまいます。

「ミスがなくて当たり前」と考えられる知財事務ですが、ミスを皆無にするのは意外と難しいです。

以前お話を伺った、ある特許事務所の所長さんによると、ミスをしたくてもミスができない仕組みとして、チェックリストを活用されているということでした。

作業が終わるときにチェックリストを必ず見るようにするという運用を守れば、チェックリストに該当しないものがあったときに、チェックリストが更新されていないのか、事務手続が間違っているのか、というのが発見できます。

人はミスをするものという前提で、ミスが発生するのを防ぐための仕組みやミスを顕在化できる仕組みが必要なんですね。ミスを恨んで人を恨まず。

2019.10.10

シリーズ【特許事務を仕事にする】 24:ワーク入門編の解説

特許事務のお仕事

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この1週間で急に朝晩冷え込むようになってきましたね。日中との気温差も大きいですので、くれぐれも体調にはお気をつけください。

さて、前回はワーク入門編の一部をご紹介しましたが、今日は、ワークの解説をしたいと思います。

回答:

1.応答期間延長のために特許庁に提出する書類は、「期間延長請求書」です。

2.期間延長後の応答期限は、「12/19(木)」です。

まず、通常の応答期限を出してみましょう。
拒絶理由通知の応答期間は、発送日から60日ですね。8/20(火)に発送されたということですので、60日後の応答期限日は10/19(土)になります。
応答期限日が土日・祝日にあたる場合には特許庁はお休みのため、開庁日である次の週の月曜日、つまり 10/21(月)が法定期限日となります。

次に、2か月延長した応答期限を出します。ここで注意が必要です。
特許庁ウェブサイトにあるとおり、「応答期間の末日が閉庁日に当たるときであっても、当該末日の翌日から2か月」となります。応答期間の末日は10/19(土)ですので、その翌日から2か月後の12/19(木)が期間延長後の応答期限となります。
間違って10/21(月)の翌日を起算日としないように注意してくださいね。

【参考】:特許庁ウェブサイト
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/letter/kyozetu_entyou_160401.html