特許事務ブログ

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2020.02.06

シリーズ【特許事務を仕事にする】 36:米国出願の情報開示義務について

特許事務のお仕事

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今回は、米国の特許出願について少しお話したいと思います。

米国出願では、発明者等の発明に関わる人は、自らの出願の発明の特許性に関わる情報を特許庁に開示しなければならないという情報開示義務があります。この情報開示義務によって提出する書類をIDS(Information Disclosure Statement)と言います。

特許性に関わる情報というのは、特許文献だけでなく論文等の非特許文献も含まれ、特許を受けようとする発明に関連する先行技術の文献や、ファミリーの出願において拒絶理由通知等で引用された文献になります。

日本出願の手続きにはない制度のため、初めて聞くかたにとっては馴染みのない制度と思いますが、このIDSは、出願時だけではなく、特許になるまで提出する義務があり、特許性に重要な情報を知っていたにもかかわらず情報開示を怠った場合には、不正行為と見なされて権利行使ができなくなる可能性があるため、漏れなく対応する必要があります。

IDSとして提出する特許文献が日本の公報で、ファミリーが存在せず英文の公報がない場合には、日本公報の翻訳文を提出する必要があります。このような場合に、前回ご紹介した機械翻訳を使ってIDSの準備をします。

企業の知財部では、特許事務所にIDSの準備および提出を依頼しているところが多いようですが、自社手続きの場合や特許事務所で勤務する場合には欠かせない手続きですので、対応できるように覚えておきましょう。

出展:世界の産業財産権制度および産業財産権侵害対策概要ミニガイド・アメリカ合衆国
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/iprsupport/miniguide.html