3月になり、天気予報の中で「桜の開花予想」とともに「春の3K」についての話がありました。3Kとは、花粉・乾燥・寒暖差のことで、春だからと浮かれるだけでなく注意すべき点もあるという解説でした。暖かくなることへの期待がある一方で、体調管理には気を配らなければならないこの時期らしい話だと感じました。

東京の靖国神社にある桜の標本木です。数日前(3月19日)、開花が宣言されましたが、まだ満開ではありません。
3月は暦の上では春と呼ばれますが、実際にはまだ冬の名残があり、暖かさと寒さを繰り返します。「三寒四温」や「寒の戻り」という言葉があるように、この時期の季節感には揺らぎがあります。気持ちは春に向かっているものの、「もう冬ではないけれど、まだ春ではない」時期だと感じます。このはっきりしない感覚こそが、3月らしさなのかもしれません。
また、来月から社会人になる卒業生も「もう学生ではないけれど、まだ社会人ではない」時間を過ごしているのではないでしょうか。長い学生生活を終えた安堵感と、これから始まる社会人生活への期待や不安が入り混じり、どこか宙に浮いたような感覚になる時期でもあります。振り返れば、誰もが一度はこのような時間を経験しているのではないかと思います。
そして、3月決算の企業(当社AIBSは6月決算ですが)では、今期の締めくくりを意識しながら、同時に来期の計画を立案しています。業務に対する意識を、今期と来期、つまり過去と未来の双方に向ける必要があり、視点の置きどころが難しい時期でもあります。ひとつの区切りに向き合いながら、次の準備を始めるという、独特の時間の流れを感じます。
こうしてみると3月は、何かが終わりつつありながら、まだ次が始まっていない、どちらとも言えないことが多い時期です。未来への期待や不安を胸に抱きながら、次へ進むための助走の時間であり、準備を整えるための時間だと思います。慌ただしさの中にあっても、少し立ち止まり、自分の足元やこれから向かう先を見つめ直す余白の時間とも余裕の時間とも言えるでしょう。そう考えると、この「どっちつかずの3月」もまた、前に進むために欠かせない、貴重な時間に思えてきます。