心の底に残っている夢

当社の新入社員は、大学ノート一冊分の日記を書くことになっています。最後のページは、「私の夢」というタイトルで書きます。それを読みながら、さて自分は・・・と考えてみると、若い時に抱いた夢で今でも心に残っていると感じるものがあります。それは気象に関わる仕事をしたいという夢でした。

夏は台風が日本にやってくる季節ですが、テレビで報道される台風のニュース・天気予報を見ていると子供の頃の記憶が蘇ってきます。気象予報士という職業はまだ無く、気象台の発表内容を天気予報としてアナウンサーが伝えていました。しかし、台風がやって来たときだけは、地方気象台の予報課長がテレビに出てきて台風の説明をしていました。テレビで見る気象台の予報課長は、いつ見てもかっこよくあこがれの人でした。それが私の原体験ではないかと思います。 その頃の台風観測の象徴といえば富士山レーダーでした。「富士山レーダーの観測によると台風の中心は八丈島の南東200kmにあって・・・」と説明されていたように思います。2001年に富士山登頂をしました。いま思えば、日本一を目指して登頂したというより、最近よく言われる「○○の聖地」、つまり私にとっては、そのとき既に運用は終了していましたが富士山レーダーという聖地へ行くということだったのだと思います。また、台風の位置を表すために南大東島、大隅半島、足摺岬、室戸岬、潮岬、御前崎、八丈島などなど、多くの地名が使われていました。今でも台風の報道があるとそれらの地名を思い出してしまうし、旅を計画するときに何故か行き先の候補地として出てくることがあります。いつの間にか自分の中で聖地となってしまっているのでしょう。結局、気象に関わる仕事に就くことはなく、また強く追いかけたわけでもないのに、まだ心の底に残っているということに驚くことがあります。

どんなところか行ってみた

それなりに人生を経た今でも気象に関する想いは、心の底に密かにあると感じています。もう深掘りすることはないのですが、気象を始めとする自然科学系の話題にはどうしようもなく興味関心が向いてしまいます。心の底に残り続ける夢は、実は自分の心髄に近いのだと考えるとその夢がとても愛おしく思われます。叶わない夢は諦めて捨てるということではなく、自分の原点を感じ自己理解を深めるためにも大事に持ち続けていきたいと思っています。

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