10月も半ばを過ぎ、だんだんと秋も深まってきた……と思いきや、気温が25度を超える夏日になることもあります。一方で、朝晩は思った以上に冷え込む日もあり、着るものに迷うこともあります。「日に日に秋が深まる」といった風情を、なかなか感じにくいこの頃です。
そもそも、季節の変化を感じるきっかけは、人それぞれ違うのかもしれません。気温や天候はもちろん、身の回りの景色や聞こえてくる音、店先に並ぶものなど、いろいろなところに季節の変化を感じることができます。夏と冬には、「夏は暑い。冬は寒い。」というハッキリとしたイメージがあります。それに比べると春と秋は、なんだかモヤーッとした、つかみどころのないイメージです。
それでも春には、パッと咲く桜の開花に代表されるような、「春が来た!」と感じるスイッチがあるように思います。桜の開花宣言を聞くと、まだ寒い日があっても、いよいよ春だなと感じるものです。
では、秋はどうでしょう。
秋といえば、実りの秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋など、いろいろな言葉が思い浮かびます。食べ物がおいしくなり、スポーツの大会が開かれ、芸術や文化に触れる機会も増えてきます。紅葉もあれば、虫の声や朝晩の空気の変化もあります。こうした出来事が数か月にわたって次々と訪れるので、これが秋の始まりだという、ひとつのスイッチはないのかもしれません。
いろいろなことが少しずつ重なり合って、いつの間にか秋になっている。まるで、次から次へと秋がやってくるような感覚です。だからこそ、「秋が深まっていく」という表現がしっくりくるのでしょう。
気がつけば木々の色が変わり、空気が澄み、朝晩の冷え込みも増していく。そして、いつの間にか冬の気配を感じるようになります。
冬将軍がやってくるまで、もうしばらく時間があります。身の回りに少しずつ現れる変化を見つけながら、この「じわり感」を楽しんでいきたいと思います。