特許事務ブログ

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2019.09.19

シリーズ【特許事務を仕事にする】 21:気持ちにも日程にも余裕を

特許事務のお仕事

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ある知財部の日常のひとこまを紹介したいと思います。

(こちらでは、論文発表等の社外発表申請の受付も特許事務担当が行うことになっていました)
ある日、開発部門の方から社外発表をしたいとの相談がありました。

「発表内容に発明は含まれますか?」
「はい」

「特許出願または発明提案は済んでいますか?」
「いえ、まだです」

「ちなみに発表はいつされますか?」
「1か月後です」

「えっ・・・。それは大変!!」

この後、大慌てで、関係先に根回しをして、特許出願の手続を進めることになるのですが、なぜそんなに慌てているのだと思いますか?

発明が特許を受けることができる要件の一つに「新規性」があります。新規性というのは、これまで公開されたものではない新しい発明であるということです。
特許出願前に発明を公開してしまうと、新規性がないとして特許を受けることができなくなりますので、発表する前に特許出願をする必要があります。

なお、特許法第30条では、特許出願よりも前に公開しても例外的に救済が受けられる新規性喪失の例外規定がありますが、注意しなければいけないことがあります。
発明の新規性喪失の例外規定についての注意(出典:特許庁ウェブサイト)

第三者の出願や公開によって特許を受けることができなくなる可能性がありますので、そのリスクを減らすためにも論文発表や学会発表、プレスリリースをする前に特許出願をすることが望ましいです。

開発部門に、発表する前に特許出願が必要なことや、発表を予定している発明は早めに届出をしてもらうよう啓蒙活動を行うのも知財部の仕事の一つです。

日程も気持ちも余裕をもって進めたいですね。