こんにちは。秋も一段と深まってきたように感じる今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか。
知財事務サポートのメンバーとして、企業や特許事務所の特許事務業務をメインに担当している者です。
ここ数年、特許事務担当として業務に携わるなかでも、RPA(パソコンでの定型作業を自動化するツール)に触れる機会が増えてきました。このシリーズ 【特許事務に自動化を取り入れる】 では、特許事務と業務自動化の関わりのなかでの気づきや役立つ情報をお話していきたいと思っています。

特許事務業務における自動化を考えてみたとき、その実現性はどのような状態の情報をどういったプロセスで処理しているか?に拠るところが大きいと感じます。そこで、今回は、特許事務として扱う情報の形態について取り上げてみたいと思います。

今は多くの企業や特許事務所において知財情報が電子データで扱われ、特に出願案件情報や期限情報は、知財管理システムやExcelなどのソフトで管理されています。例えば、この知財管理システムへのデータ入力業務の自動化を考えた場合、入力元となる情報がどのような状態で手元にあるのかがまず重要なポイントになります。
特許事務業務のなかで日々受け取る情報の形態は、紙の書類やPDFファイル、Excelデータなど多岐にわたります。すべての情報を自動化できればいいのですが、処理したい情報が紙や紙がスキャンされたPDFにしかない場合、まず情報をデータとして扱える状態にする必要があります。というのも、特許事務の担当者は、異なる様式で作成された様々な種類の書類から管理の必要な情報を目で読み取り、データとしてシステムへ入力することができますが、ロボットには情報をあらかじめデータとして準備してあげる必要があるからです。

ただ、紙の書類も、もともとはデータとして存在している情報が出力された結果なのであれば、多くの書類には元データがあるはずです。可能であれば、提供元からCSVやXML形式などのデータとして扱える情報を入手することも検討してみてはどうでしょうか。なお、知財管理システムにはインターネット出願情報をXML形式データで取り込み、反映できる機能が付いているものもあります。弊社のアウトソースサービスでも活用している富士通の特許管理クラウドサービス「ATMS PROPAS」にも特許庁書類の取り込み機能がありますが、とても便利です。
自動化やデータの取り込みは入力作業の効率化はもちろんですが、正確な書誌情報の反映に繋がります。

もちろん、報告書などは人の目で見て理解しやすい形であることも必要ですが、それと合わせて必要な情報をデータで入手しておくことも、特許事務業務の自動化を見据える場合には重要になるのではないかと思います。
(TY)