英語学習者の方や、
英語ライティングする際に誰もが一度はぶち当たる、
冠詞の壁。

冠詞について頭では理解していても、いざ自分で英文を書いてみると、
「このときって、theだっけaだっけ?」
「そもそも、このとき冠詞必要だっけ?」
と疑心暗鬼になった経験はありませんか?

今回は、そんな私たちをずっと悩ませている冠詞の中でも、
「冠詞がつく場合とつかない場合」について解説していきます!

実は、冠詞をつけるかつけないかは、その対象の捉え方が重要になります。
では、早速みていきましょう!

冠詞がつく場合

基本的に、冠詞が必要な場合は、数や「いくつかあるなかの1つ」を表す場合、また、文脈的に必要な場合(共通認識がある場合など)です。

例:
・ I bought a new book yesterday.
→いくつかある新しい本のなかの1つを買ったので、不定冠詞がつきます。

・We had lunch at a nice restaurant the other day.
→いくつかあるレストランのうち、ある1つのレストランでランチをしたので、不定冠詞がつきます。

・We talked about the issue you mentioned before.
→「あなたが言及した問題」という、特定されていて話者間で共通認識がある問題を示しているので、定冠詞がつきます。

AIBS 翻訳者アドバイス

「the」と「a」の使い方もあわせて理解しておくと、冠詞がつく場合・つかない場合の感覚もより分かりやすくなります!

冠詞がつかない場合

ここでは、冠詞がつかない場合の、抑えておきたいパターンと例外を簡単にご紹介します。

パターン1:一般的な人、モノ、コト

「theとaの使い分け」記事でお伝えしたとおり、「the」は共通認識がある場合に用いられます。一方、特定の人、モノ、コトを指さず、一般的な話や大枠のカテゴリの話をする場合、冠詞は必要ありません。

例:
・I like reading books.
→特定の本ではなく、「本」という大枠のカテゴリの話なので、冠詞がつきません。

・I liked the books you lent me.
→「貸してもらった本」という特定した話なので、定冠詞がつきます。

パターン2:固有名詞

人の名前、国名、地名、地名が建物の固有名詞には「the」がつきません。

例:
Ken Adams, Japan, Hiroshima, Times Square, Kansai International Airport

固有名詞で「the」がつく例外

建物の名前、特定の地名(海洋、砂漠、川)、複数形の国名、王国・共和国などは、固有名詞でも「the」がつきます。

例:
the British Museum, the Atlantic, the United States of America, the United Kingdom

パターン3:物自体ではなく、その建物での活動や機能に着目する場合(上級編)

やや上級編の説明になりますが、school, bed, college, hospital, prisonの前には冠詞がつきません。これは、ただ単純にその建物自体を表すだけでなく、「そこでの活動も含めた”その建物”」として表現されるからです。

たとえば、「I go to school every day.」と言う場合は、「学校」という場所そのものに行くという意味だけでなく、「学校で授業を受ける」というその場所(学校)での活動(その場所の機能)も含まれており、そこに焦点があてられています。このような場合には、冠詞がつきません。

例:
・I go to bed at 10 p.m.
・I graduated from college last year.
・She was in hospital.
・She is in prison.

冠詞がつかない表現

冠詞がつかない表現をすべて挙げることはできませんが、ご参考までにいくつか例文をご紹介します。

例:
・I came here by bus.(交通手段)
・I had rice and hot green tea for breakfast today.(食事)
・I’m going to leave this town next month.(nextやlast)
・I met her on Tuesday.(日付や曜日、月、祝日)

問題にトライ!

練習問題

かっこに入る冠詞を考えてみましょう。

1. I visited ( ) Mount Kenya last year.

2. She had her shoes repaired on ( ) Saturday.

3. He works from ( ) home.

答え

1. I visited (×) Mount Kenya last year.
私は昨年ケニア山を訪れました。
→固有名詞なので、冠詞はつきません。

2. She had her shoes repaired on (×) Saturday.
彼女は土曜日に靴を修理してもらいました。
→曜日なので、冠詞はつきません。

3. He works from (×) home.
彼は在宅勤務をしています。
→この文では、「仕事をする」という機能としての「家」を表してるので、冠詞はつきません。

まとめ

「くせ者」な冠詞の中でも、今回は「冠詞がつく場合とつかない場合」を解説しました。
冠詞の感覚を掴むのはなかなか難しいですが、ひとまず基本のパターンから徐々に冠詞の使い方に慣れていきましょう!

「the」と「a」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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