こんにちは、S.K.です。

早速ですが、先日会社の先輩から勧められて「外国語をつかって働きたい!(左右社)」という本を読みました。なんでもこの本の出版にあたりAIBSが協力したそうです。

私は何も協力していないのでイチ読者として読んだだけですが、「語学力を活かせる仕事を探していた人」として共感せずにはいられなかったので、実際に某外国語大学を卒業して新卒で翻訳会社に入社した私の視点で、この本の感想を書いてみたいと思います!
ネタバレにならないように、かつ、一部私の就活体験を交えながら感想を書いていければと思います。

とはいえ、「あなたの就活体験記なんかいいから!」という方のために、先に結論を述べておきます。

まず、この本は、タイトルの通り、「外国語をつかって働きたい!」と思い、新卒で翻訳会社に入社しキャリアをスタートさせた筆者・小島さなえさんのエッセイ漫画です。内容は、筆者が就活で苦労しているところからはじまり、漫画家/イラストレーターとして活躍する現在までの道のりがテンポ良く、可愛らしい絵柄で描かれています。

そして結論ですが、この本は、「語学力を活かせる仕事を探している」、「翻訳会社の中ってどんな感じなんだろう」と思っている方、特に就活生の方におすすめしたい本です!

忖度なしで、これは、「外国語を学んできたから、外国語を活かせる仕事をしたい」と思っていた就活生だった私にとても刺さりました。

そんな私のようなバックグラウンドがある方や、翻訳業界に関わる方のあるあるが詰まっている一冊だと思います。特に翻訳業界を目指している学生には、リアルな業界の中の話や、「翻訳者にはどういったスキルが備わっているものなのか」を漫画で楽しく知れる機会なので、そんなリアルを知りたい方は是非ご覧ください!

ここからは、某外国語大学出身→翻訳会社新卒入社の私の就活体験談を一部交えながら、この本のお気に入りポイントや共感した部分をご紹介したいと思います。

まず、この本では筆者の語学力を活かしてきた職歴やその仕事内容などを知ることができるだけでなく、語学力を活かして働いているお知り合いの方へのインタビューもありました。インタビューを読んで、「言語をつかって働くって、こんな仕事もあるんだ」という新たな発見もあり、私のお気に入りポイントでした。

筆者の「エッセイ漫画」という要素だけでなく、そういったインタビューもある点が、語学力を活かした仕事を探している方には、視野を広げるという意味でもおすすめできるのではないかと感じました。(…なんて、私が偉そうに言えることなんて微塵もありませんが…。)

他にも、区切りのいいところで挟まれているコラムも私のお気に入りです。
このコラムも、非常に興味深くて面白いんです。

今回は、タイトルだけ以下ご紹介しますね。

  • 実務翻訳者の学歴・職歴について
  • 機械翻訳の今昔
  • 日本人でも間違えやすい日本語表現
    (このパートの筆者の「イライラあるある」は私の「あるある」でもありました笑)
  • 英語アレルギーを考える

タイトルをご覧いただければ分かると思いますが、このコラムは、翻訳関連の仕事をしている方や、翻訳者を目指している学生にとって関心のある内容だと思います。

特に、「実務翻訳者の学歴・職歴について」、「機械翻訳の今昔」は、新たに翻訳業界での職を探している方は興味がある内容なのではないでしょうか。

語学力以外で、翻訳者に備わっているスキルって?」や、
最近機械翻訳がすごいって聞くけど、これをどう捉えているの?
という内容に触れていて、コラムと呼ぶのにちょうどいい長さで簡単に筆者の考えが書かれています。

さて、これまで思いのままにお気に入りポイントを2点ご紹介してきましたが、
次にご紹介するのは私が最も共感したポイントです。

その最も共感したこととは、

言語はツール問題

です。

「言語はツール問題」とは、「本来はツールであるはずの外国語を使うことが目的化」してしまっている、「外国語専攻の一部の学生が就職活動で直面する壁」と本書のはじめの方で紹介されています。

私がまさにそうだったのですが、外国語が好きで楽しいから学んでいて、「外国語をつかって働きたい!」と思っている方は、遅かれ早かれこの本のはじめにでてくるこの「言語はツール問題」に直面することになります。

私は某外国語大学の外国語学部出身ですが、言語学や文学を専門的に学んだわけではなく、ただただ外国語を学んだだけでした。そのため、就活時は、何かの分野に特化した専門知識がないことに、ややネガティブな感情を持っていました。もちろん、大学の4年間で学んだことは今の私に繋がっているので、後悔などは一切ありません。しかし、興味のあることをもっと勉強して専門性を磨いておいたり、「経験すること」にもっと積極的になっておいたりしていればな、と自分自身に対しての反省が少しありました。

就活に限った話ではありませんが、学んだことや経験したことは武器だと、本当に思います。
しかし、それがないことに気づいたときにはもう大学4年生で、本格的に就活が解禁されたあとでした。

少し先述しましたが、この本は、大学で中国語を専攻した筆者の就活体験から話は始まります。そのときに筆者もこの「言語はツール問題」に直面されたようなのですが、本当に私の就活とそっくりで、はじめからとても共感できました

そういった私の経験からくる共感もあって、「語学力を活かした仕事をしたいと思っている就活生(学生)におすすめ」とご紹介した次第です。

みなさんには、「外国語をつかって働きたい!」という思いだけで就活をはじめ、「外国語を使って何をしたいか・できるか」ということの大切さに気づくまで少し遠回りをした私の二の舞にならいようにしていただきたいです(聡明なみなさんはきっと問題ないと思いますが)。笑

その後、筆者は語学力が「ツール」ではなく「武器」になる翻訳会社に入社することになります。そこからどうやって、現在の漫画家/イラストレーターという職に繋がっていくのかが見どころです。筆者がその時々で直面した悩みや、そこからどうやって道を切り開いていったのかが、とても勉強になりました。今のところ私は筆者と似たキャリアの始め方をしているので、そういった点を追体験して楽しみ、気がついたら読了していました。

伝えたいことが多くて長くなってきたのでそろそろ締めます。笑

というわけで、この「外国語をつかって働きたい!」という本は、筆者や私のような、「好きだから語学をしてきたけど、じゃあ就活はどうする?」という学生や、「語学力を活かせる仕事を探している」、「翻訳会社の中ってどんな感じなんだろう」という就活生の方におすすめの一冊です!

以上、私の自分語り混じりの読書感想文でした!
長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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S.K.