007 SPECTRE
現在公開中の最新の007シリーズ24作目のタイトルは SPECTREです。
デーブ・スペクターじゃありませんよ。
007シリーズの初期作品1970年頃までに登場していた世界征服を目論む悪の組織です。
私、ほんとに、SPECTREが復活してちょっと、ワクワクした気分なんです。
 
007 You Only Live Twice
こちらは、今から49年前の1967年に制作された007の映画タイトルです。
日本語タイトルは、「007は二度死ぬ」、ジェームス・ボンドが日本を舞台に悪の組織SPECTREと闘うアクション映画です。
 
最新作を観る前に、おさらいの意味も含めて、私は旧作「007は二度死ぬ」のBlu-ray Discを購入しました。
はるか昔にテレビで放映されたのを観たはずなんですが、ほとんど記憶にないので、新鮮な感覚で観ることができました。
 
この映画スゴイがいっぱいすぎて、1週間のうち5回も観ました。そのたびに、細かいところをチェック、もはや映像編集者レベル。
 
日本の描写がスゴイ!
当時、日本が海外からどのように見られていたかがよくわかります。芸者、忍者、お相撲、海女、男性・女性の役割など。
今では考えられませんが、世界遺産の姫路城で公安組織の特殊忍者部隊の訓練シーンを撮影。
ジェームス・ボンドを日本人にしたてるために、髪を黒く染める、まぶたを膨らせる、胸毛を処理する。
英国ではレディファースト、日本では男が常に先と誇らしげに語られる。
 
トヨタ2000GTがスゴイ!
オークションで1億円の価格がつくほどのクルマが登場。これだけでも観る価値があります。
 
日本人俳優の英語力がスゴイ??
ボンド・ガールを務めた浜美枝、若林映子、公安組織トップのタイガー田中役の丹波哲郎、当時としては頑張っていたようです。ネーティブには不評でも日本人には良くなじむ発音。
 
当時の日本の風景がスゴイ!
ロケのほとんどが日本で行われており、当時の風景を記録したドキュメンタリーとしての価値が高い。
東京オリンピック後の東京の街並みやネオン街、街を走行する車(スバル360)、埋め立て中の神戸港、自然豊かな鹿児島の坊津の漁村、霧島山、新燃岳の空撮。ホテルニューオータニの有名な回転レストランSKYは今も健在です。
 
当時のハイテク機器がスゴイ!
パソコンなどない時代、主流はメインフレーム機、バロース社の電子計算機が登場。一瞬大きなタイプライターかと思いました。
タッチパネルなどない時代、操作はすべて大きなボタン、レバー、スイッチを介して行われます。そのため、安全解除のシーンも映像的には動きがあり、引き込まれます。
記憶装置は、もちろん磁気テープ。
 
アイテムがスゴイ!
食事のシーンでは、ちゃんとサントリーオールドが出されている。
タイガー田中のプライベートトレインは、地下鉄丸の内線を使用。
 
セットがスゴイ!
SPECTREのロケット基地のセットを実際に作って撮影。今ではCGでパパッっと作ってしまうようなシーンはセットの中を役者が本当に動き回って撮影している。
ブルーバックのところで演技して、後から合成する現代の作り方(クロマキー)よりも、リアリティに溢れている。1回の演技(アクション)の真剣さが違う。
 
最後はお決まりのキスシーン!
やっぱり007はこうでなくちゃ。
 
CGを駆使したハイテクの映像に慣れてしまった人には、一服の清涼剤的な映画です、是非一度ご鑑賞ください。
 
アンチCG派の私にとって、もうひとつ嬉しいことは、最新作のSPECTREはCGを一切使わずにアクションシーンが撮られているとの噂を得ました。こちらも観に行きたいと思います。
 
CGでなんでも表現できる世の中だからこそ、あえてCGなんてなかった頃の映画を観るのもいいものですよ。
 
T.K.